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満ち足りた地獄に住まう心地良さ(1)

このお話しは2部構成になっています

満ち足りた地獄に住まう心地良さ (1)
満ち足りた地獄に住まう心地良さ (2)

※全て別窓で開きます。




「今やったら兄貴に負けるかもな」

「なにが? テニスか?
 当たり前やろ~? こんな体やのに~」

「はぁ~ あと何分?」

「あと ・・・
 チョット待てよ~?
  おつかちゃん~?! あと何分~?!」

(前の画面に表示されてますよ~?!)

「ここか~? あと40秒もあらへん」

「40秒もあんのか ・・・」

「もっと自由に歩けるようになったら
 あと40秒も、が もう40秒に変わるわ
  よっしゃ終わった。 少し休め」

「そうする はぁ~ 
 ベッドへ寝かせてくれるか? 兄貴」

「俺が出来るかな~?
 おつかちゃん?! 悪いけど~?!」

「終わったんですね。
 はいはい 私がやります」

『つかさ 主婦 44歳』 妻の告白



「地獄やで 兄貴 ・・・」

「そんなこと言うな~?
 バイト代で機械を買ってくれる息子
  朝から晩まで面倒みてくれる嫁さん」

「そういう意味じゃない
 不自由な身体が地獄ってことや
  家族には感謝してる ・・・」

「まあそやな ・・・
 運動はお前の細胞に組み込まれた
  プログラムみたいなもんやしな^^」

「じゃあ私、お買い物に行ってきます
 お義兄さん時間があるならゆっくり ・・・」
「買い物やったら車に乗っていき?」

「おお、つかさ
 兄貴に連れていってもらえ?
  俺は夕方くらいまで寝るわ ・・・」

「でも、昨日も連れてもらったし~
 お店大丈夫なんですか? お義兄さん」

「どうもないと思うw 多分^^ ・・・」
 

主人、西村敬(44歳)
義兄 西村学(46歳)
それに私を含めた三人の会話

主人が自宅で寝たきりになったのは
今から5年前、39歳になった冬のこと
原因はクモ膜下出血

運動好きな人でしたが
昔から血圧が高く、危ないと言われてました
しかし病気なんて
誰しもが「自分は大丈夫」と思うもの。
私もそう思っていた。
まさか40歳の若さで ・・・

大好きなテニスも出来ず
ひたすらリハビリの毎日
とてもつらそうですが
さすが運動能力に長けた人
今では手足の麻痺も治まりつつあり
自力で歩けるようになった事を喜んでいます

主人の実家の家業は甘味処
地元で有名なお店を
今はお義兄さんとその奥様が切り盛り
次男の主人は親から援助を受け
テニススクールを経営しています。
身体は不自由になったけれど
しっかりした従業員がいるため
電話のやりとりでなんとか凌いでる状況。

明るい希望が見える中でひとつ!
引っかかっているのは最近になって
お義兄さんが頻繁に来られていたこと
5年前はもっと重度で大変だったのに今は
そろそろ全回復の兆しがという時 ・・・


義兄
「店の前を通るさかい様子だけは見るけど」

「じゃあ~ お言葉に甘えようかな?」

「ほいじゃ 敬? ゆっくりせえよ?
 また明日ルームランナーのコーチに来る」

主人
「ありがと。 店が暇な時でええぞ?」


これは仕組まれたデジャブ
昨日と全く同じ三人の会話です

昨日 ・・・


「あっ お義姉さん見えた^^」

義兄
「客は少なそうやな~ ・・・」

スーパーは歩くと遠いけど
自動車では大袈裟
そんな中途半端な距離にあります
いつもは自転車で行くんですが ・・・

「郵便局に用事ですか?」

自宅から少し走ったところで
車を止めたお義兄さん

義兄
「イヤ ・・・
 この坂を上がって行ったら
  峠の手前に。 あるやろ?」

「峠の手前 ・・・?」

「ふる~い ・・・」

「古い建物?」

「おつかちゃんはこの辺の人間ちゃうし
 あんまり詳しくないんか?」

「そうですね^^ 車の免許もないし ・・・」

「峠の手前にホテルがあるんや」

「ホテル? はぁ~ ・・・」

「5年ないんやろ?」

「あぁ~ そのホテル^^?」

「行ってもかまへんか?」

「お義兄さんも男の人なんですね^^
 でも、そんな時間はないし~ ・・・」

「それは? OKってことか?」

「そういう意味じゃないけど ・・・
 私、おかしいと思ってたんです
  最近良く来られますし ・・・^^」

「倒れてすぐ寝取れるか?
 いくらなんでもそれは非道徳や ・・・
  でも、アイツが回復するのをみて
   今しかないと思うようになった」

「体が回復しても
 あっちまで元気になるとは限りませんし」

「溜まってんのか?一人でやってんのか?」

「そんなこと言えません~^^」

「もう俺!カッチカチになってるんや?!」

「お義姉さんにバレたら大変 ・・・」

「バレへん! 何があっても!
 誰に何を言われても誤魔化し通す!!」

「じゃあ~ あっ もう走ってるし(笑)」

セックスがしたいとかの前に
男性のぬくもりを肌で感じたい思いは
ここ最近考えていたこと
介護で主人に触れることはあっても
それは単なる介護であって
男女の触れ合いではありません ・・・


続く ・・・

満ち足りた地獄に住まう心地良さ(2)


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