Change The World
「明後日、実家に帰るんやけど
夜、家にいる?」
「なんで?」
「あぁ ちょっと顔を出そうと思って」
「かまへんけど
いいひんかったら悪いし
来る前にメールせえよ」
「うん わかった」
『色葉(いろは) パート 43歳』 妻の告白
「こんばんは~ 健次いますか~」
「おっ いらっしゃい
お前 飯食ってきたんけ?」
「まだ ・・・」
「ほな先に飯や そこのうどん屋行こか」
この人は
幼なじみの安井健次君
幼稚園から中学校まで
ずっと一緒に過ごした仲のいい男子
姪のピアノ発表会を見るため
久しぶりに実家に帰ってきた
そのついで ・・・
ではなく ・・・
健次の顔も見たかった。
その昔、キスをした人なんです
私のファーストキス
幼稚園の時ですけど(笑)
それ以外は何もありません ・・・
「入れや ・・・
ちょうどおもろいテレビ
やってるとこやったのに
高井がうな重3杯も食うさかい
テレビ終わってしもてるやんけぇ~」
「いやいや
行ったん うどん屋やし^^」
高井は私の旧姓です。
小学生の時なんかはいつも
私を近くの席に座らせ
健次に勉強を教える係りを
やらされていました。 そして、
先生が2人の席の間を通る時は
必ず他の男子が健次の消しゴムを
床に落として 先生が拾う ・・・
先生
「この消しゴム 50円より
安いのか高いのかどっちや?」
健次
「80円 先生 僕のです」
「なんや 高いのに安井のか?
おい みんな笑うとこやぞ~^^
たまにしか冗談言わへんのに ・・・
はいっ! 32ページ開いてっ!」
と こんな風に私たちの苗字で
2人をからかうのが
クラスのお約束でした ・・・
「9時やな ・・・
お母ちゃん 寝るやろうし
そろそろ 帰るわ
ありがとう 健次」
「おう 送るわ」
「もう ええよ そこやし^^」
「襲われたら 俺の責任やんけ」
健次の家から歩いて1分なのに
いつも私が実家の玄関に入るまで
見ていてくれます。
「色葉 ・・・」
「なに?」
「何かあったら また来いよ」
「ありがとう ・・・」
姪の発表会を見に来た ・・・
私はそれしか言ってません
プライベートな話しなんか
ひとつもしていない ただただ
いつものようにいっぱい笑わせてくれた
そして ・・・
「また来いよ」 と ・・・
私はなんと幸せ者なのか
何も話さなくても分かってくれる人が
いるということ ・・・
23歳で主人(富岡清志 43歳)と
結婚をして10年の間に
3人の子供を産み 育て
33歳の時にやっと自分の時間を
持てるようになりました。
子育てに追われて必死だった頃は
時間が出来れば アレしたいコレしたい
と 考えていたのに
いざ そうなってみると
自分がいったい何をしたいのかを
見失っていました。 そして
夫婦関係にも変化が ・・・
主人とのセックスを避けるようになり
いえ ・・・
セックスなら まだ我慢は出来る。 でも
キスを完全に
受け付けなくなっていたんです
主人が嫌いなわけじゃない
夫婦仲が悪いわけでもない
セックスの相性が悪いとも思わない。 ただ
恋愛感情がなくなってしまい
何か物足りなさを感じていました。
そんな時に出会ったのが
永島雅人さん(37歳)
当時、27歳で私より6つ下の
独身男性でした。
一人目を産む直前まで
パートとして勤務していた
スイミングスクールのオーナーに
「また戻ってきていいよ」
と言われ 復職した その1週間後に
スクールで彼と出会ったんですが
その前に ・・・
私は彼を知っていた。
この数ヶ月前
ママ友たちと飲み会に出掛けた時
営業終了後のデパートの前で
弾き語りをされてたんです
ギターと歌の上手さに
みんなが立ち止まり
一緒に口ずさんだりしていました
そして 私が ・・・
「あの ・・・
エリック・クラプトンの
Change The World を
お願い出来ますか?」
と言うと あっさり ・・・
「あっ 俺 邦楽のみです。それに
Change The World は
好きじゃないんですよね~」
と 言われました。 それでも
その歌の上手さに
ギターの音色の心地よさに惚れてしまい
また、外に出た時は寄ってみようと
思っていました
「あっ! この前のギターの?」
「クラプトンをリクエストしてくれた人
ですよね~^^ 受付?
やってるんですか~?」
「あっ^^ 以前、働いていたんです」
「そうですか~
俺 まだ 2ヶ月目なんで ・・・」
水泳を始めて2ヶ月の割には
もう腹筋も割れて
凄い体型なんですけど ・・・
その秘密は
彼と付き合ってから教えてもらいました。
後日、
スクールで会った時に
「今晩 立ちますけど?」 と言われ
「あっ 弾き語りのことですか?」
「ええ ・・・」
「じゃ 聴きに行こうかな~^^」
聴きに行くといっても
子供3人を主人にあずけて外出するには
それなりの理由が必要です
この前 飲み会に行ったとこやし ・・・
「あなた 〇〇君の誕生会の
打ち合わせで呼ばれてるの ・・・」
ちょうど息子のお友達の誕生会が
ちかじかあって それを理由に ・・・
主人
「そんなん言うて
また飲み会ちゃうの~^^」
「ううん 今日は違う^^
じゃ 子供たち お願いね~」
そう言って 彼に会いに行ったわたし
でも、2曲ほど聴いたところで
雨が降り出し ・・・
「富岡さん 車で来てるし 送りますよ」
と言われ お言葉に甘えました
そして 家の近くまで来て
車から降りようとした時
彼に腕をつかまれ キスを ・・・
キスだけなのに
全身が痺れたこと
彼の体温を唇に感じたまま
玄関の扉を開けたこと
今でも鮮明に覚えています ・・・
主人と結婚して初めての浮気
それから
私たちの付き合いが始まり
高校時代、水球の選手だったことを
あとで知ります。
中央市場でアルバイトをする彼と
時間を合わせて
会える時間をたっぷりと作り
彼の住むアパートへ行っては
毎日のように抱かれ
愛し合いました ・・・
決してマジメなタイプではなかった。
20代の独身男性
私が掃除をしないと部屋も荒れ放題
これが
私の母性本能にも火をつけ
セックスだけじゃなく 彼の何もかもを
お世話するようになっていきます。
主人とでは絶対に得られない感情
まるで学生時代に戻って
恋愛をしているかのよう ・・・
水球で鍛えた肉体は
私のカラダも心も奪っていきました
でも、付き合って半年が過ぎた頃
「別れたい」
と 彼に言われます ・・・ 理由は
雅人
「若いうちに全国 いや
世界を旅しておきたい」 でした
「そんな 急に言われても ・・・」
「ごめん そのために
高給な市場でバイトしてたんや」
「そうなの ・・・
じゃ 止めても無駄ってことよね?」
「そやな ・・・」
ついて行きたかった 私も ・・・
この時ほど なんで結婚なんか
してしまったんやろ と
悔やんだことはありません
そして 彼の出発は2週間後と
決まっていましたから ・・・
「黙って見送るから
それまでは そばにいさせて」
と お願いしたんです ・・・
私のことを好きでいてくれてる
それは彼からも十分に伝わってきます
離れるまでの2週間
それよりも激しく 毎日、愛し合いました
スクールで会う時間帯は
プール横の用具室に入って
立ったままバックで挿入してもらったり
彼のアパートで何度も交わった後
家の近所まで送ってもらった
その車の中で また、彼に跨ったり
とにかく少しの時間でも
彼とひとつになっておきたかった
彼と触れ合っていたいという強い気持ち
そもそも
セックスだけの勝負なら
うちの主人のほうが断然に上手いし
私が気持ちいいのも主人です。
でも ・・・
彼とは恋愛感情で結ばれていた。
見送りの日は
セックスをしませんでした
それよりも話していたかった ・・・
「短い間やったけど
私のこと 本気で好きやった?」
雅人
「当たり前や ・・・」
「セックスと言葉以外で
それを証明出来るものってある?」
「あるけど 今は無理 ・・・
もし 次に会える日が来たら
その時に必ず ・・・」
ホームで彼を見送った時
涙は流さなかった。 それまでに
体内の水分が枯渇するほど
毎日泣いていたからです ・・・
あれから 約10年
何もかもを忘れて
平穏に家族と過ごす時間を楽しみ
主人ともケンカひとつすることなく
円満にやってきました。
そして 先週の土曜日 ・・・
息子の就職が決まり お祝いにと
家族でステーキハウスに行ったその帰り道
あの例のデパートの前で
彼が弾き語りをしていたんです。
「あっ どうした? 色葉
急に止まるし つんのめるやんけ^^」
「やっ あっ ギター ・・・」
頭の中は真っ白 呆然として
全然言葉になりません
そして 彼と目が合い ・・・
「今晩の最後の曲です ・・・」
と言って 弾き出したのが
エリック・クラプトンの
Change The World だった ・・・
子供たちは先に帰らせましたけど
私の後ろにはまだ主人がいました
その主人が気付いていたのかは
わかりませんが
私は大粒の涙を流して
彼の演奏に応えました
「セックスと言葉以外で
それを証明出来るものってある?」
雅人
「あるけど 今は無理 ・・・
もし 次に会える日が来たら
その時に必ず ・・・」
この曲は ・・・
彼が私を愛していた証しです
彼と戻ろうとか
今、何をしているんだろうな~
とか 考えなくもないですけど
もう、昔の私ではなかった ただ
ただ ・・・
「私を愛してくれて ありがとう」
曲が終わって 拍手をしたあと
主人のほうへ振り向き 腕を組むと
「お父さん 帰ろうか^^」
「おおっ^^」
でも ・・・
何か伝えたかった
誰かに私の気持ちを
分かって欲しかった ・・・
※※※
「9時か ・・・
お母ちゃん 寝るやろうし
そろそろ 帰ろうかな
ありがとう 健次」
「おう 送るわ」
「もう ええよ そこやし^^」
「襲われたら 俺の責任やんけ」
「誰が襲うんよ
43歳のおばちゃんを^^」
「色葉 ・・・」
「なにっ?」
「なんかあったら いつでも来いよ
思いっきり 笑わせたるし ・・・」
「ありがとう 健次 ・・・」
世界を変える曲は
私の人生と
彼の人生を変えたのかもしれない
でも
いつまでも変わらずに
こんな私を見守ってくれている健次と
主人に今一度
ありがとう と言いたい ・・・
夜、家にいる?」
「なんで?」
「あぁ ちょっと顔を出そうと思って」
「かまへんけど
いいひんかったら悪いし
来る前にメールせえよ」
「うん わかった」
『色葉(いろは) パート 43歳』 妻の告白
「こんばんは~ 健次いますか~」
「おっ いらっしゃい
お前 飯食ってきたんけ?」
「まだ ・・・」
「ほな先に飯や そこのうどん屋行こか」
この人は
幼なじみの安井健次君
幼稚園から中学校まで
ずっと一緒に過ごした仲のいい男子
姪のピアノ発表会を見るため
久しぶりに実家に帰ってきた
そのついで ・・・
ではなく ・・・
健次の顔も見たかった。
その昔、キスをした人なんです
私のファーストキス
幼稚園の時ですけど(笑)
それ以外は何もありません ・・・
「入れや ・・・
ちょうどおもろいテレビ
やってるとこやったのに
高井がうな重3杯も食うさかい
テレビ終わってしもてるやんけぇ~」
「いやいや
行ったん うどん屋やし^^」
高井は私の旧姓です。
小学生の時なんかはいつも
私を近くの席に座らせ
健次に勉強を教える係りを
やらされていました。 そして、
先生が2人の席の間を通る時は
必ず他の男子が健次の消しゴムを
床に落として 先生が拾う ・・・
先生
「この消しゴム 50円より
安いのか高いのかどっちや?」
健次
「80円 先生 僕のです」
「なんや 高いのに安井のか?
おい みんな笑うとこやぞ~^^
たまにしか冗談言わへんのに ・・・
はいっ! 32ページ開いてっ!」
と こんな風に私たちの苗字で
2人をからかうのが
クラスのお約束でした ・・・
「9時やな ・・・
お母ちゃん 寝るやろうし
そろそろ 帰るわ
ありがとう 健次」
「おう 送るわ」
「もう ええよ そこやし^^」
「襲われたら 俺の責任やんけ」
健次の家から歩いて1分なのに
いつも私が実家の玄関に入るまで
見ていてくれます。
「色葉 ・・・」
「なに?」
「何かあったら また来いよ」
「ありがとう ・・・」
姪の発表会を見に来た ・・・
私はそれしか言ってません
プライベートな話しなんか
ひとつもしていない ただただ
いつものようにいっぱい笑わせてくれた
そして ・・・
「また来いよ」 と ・・・
私はなんと幸せ者なのか
何も話さなくても分かってくれる人が
いるということ ・・・
23歳で主人(富岡清志 43歳)と
結婚をして10年の間に
3人の子供を産み 育て
33歳の時にやっと自分の時間を
持てるようになりました。
子育てに追われて必死だった頃は
時間が出来れば アレしたいコレしたい
と 考えていたのに
いざ そうなってみると
自分がいったい何をしたいのかを
見失っていました。 そして
夫婦関係にも変化が ・・・
主人とのセックスを避けるようになり
いえ ・・・
セックスなら まだ我慢は出来る。 でも
キスを完全に
受け付けなくなっていたんです
主人が嫌いなわけじゃない
夫婦仲が悪いわけでもない
セックスの相性が悪いとも思わない。 ただ
恋愛感情がなくなってしまい
何か物足りなさを感じていました。
そんな時に出会ったのが
永島雅人さん(37歳)
当時、27歳で私より6つ下の
独身男性でした。
一人目を産む直前まで
パートとして勤務していた
スイミングスクールのオーナーに
「また戻ってきていいよ」
と言われ 復職した その1週間後に
スクールで彼と出会ったんですが
その前に ・・・
私は彼を知っていた。
この数ヶ月前
ママ友たちと飲み会に出掛けた時
営業終了後のデパートの前で
弾き語りをされてたんです
ギターと歌の上手さに
みんなが立ち止まり
一緒に口ずさんだりしていました
そして 私が ・・・
「あの ・・・
エリック・クラプトンの
Change The World を
お願い出来ますか?」
と言うと あっさり ・・・
「あっ 俺 邦楽のみです。それに
Change The World は
好きじゃないんですよね~」
と 言われました。 それでも
その歌の上手さに
ギターの音色の心地よさに惚れてしまい
また、外に出た時は寄ってみようと
思っていました
「あっ! この前のギターの?」
「クラプトンをリクエストしてくれた人
ですよね~^^ 受付?
やってるんですか~?」
「あっ^^ 以前、働いていたんです」
「そうですか~
俺 まだ 2ヶ月目なんで ・・・」
水泳を始めて2ヶ月の割には
もう腹筋も割れて
凄い体型なんですけど ・・・
その秘密は
彼と付き合ってから教えてもらいました。
後日、
スクールで会った時に
「今晩 立ちますけど?」 と言われ
「あっ 弾き語りのことですか?」
「ええ ・・・」
「じゃ 聴きに行こうかな~^^」
聴きに行くといっても
子供3人を主人にあずけて外出するには
それなりの理由が必要です
この前 飲み会に行ったとこやし ・・・
「あなた 〇〇君の誕生会の
打ち合わせで呼ばれてるの ・・・」
ちょうど息子のお友達の誕生会が
ちかじかあって それを理由に ・・・
主人
「そんなん言うて
また飲み会ちゃうの~^^」
「ううん 今日は違う^^
じゃ 子供たち お願いね~」
そう言って 彼に会いに行ったわたし
でも、2曲ほど聴いたところで
雨が降り出し ・・・
「富岡さん 車で来てるし 送りますよ」
と言われ お言葉に甘えました
そして 家の近くまで来て
車から降りようとした時
彼に腕をつかまれ キスを ・・・
キスだけなのに
全身が痺れたこと
彼の体温を唇に感じたまま
玄関の扉を開けたこと
今でも鮮明に覚えています ・・・
主人と結婚して初めての浮気
それから
私たちの付き合いが始まり
高校時代、水球の選手だったことを
あとで知ります。
中央市場でアルバイトをする彼と
時間を合わせて
会える時間をたっぷりと作り
彼の住むアパートへ行っては
毎日のように抱かれ
愛し合いました ・・・
決してマジメなタイプではなかった。
20代の独身男性
私が掃除をしないと部屋も荒れ放題
これが
私の母性本能にも火をつけ
セックスだけじゃなく 彼の何もかもを
お世話するようになっていきます。
主人とでは絶対に得られない感情
まるで学生時代に戻って
恋愛をしているかのよう ・・・
水球で鍛えた肉体は
私のカラダも心も奪っていきました
でも、付き合って半年が過ぎた頃
「別れたい」
と 彼に言われます ・・・ 理由は
雅人
「若いうちに全国 いや
世界を旅しておきたい」 でした
「そんな 急に言われても ・・・」
「ごめん そのために
高給な市場でバイトしてたんや」
「そうなの ・・・
じゃ 止めても無駄ってことよね?」
「そやな ・・・」
ついて行きたかった 私も ・・・
この時ほど なんで結婚なんか
してしまったんやろ と
悔やんだことはありません
そして 彼の出発は2週間後と
決まっていましたから ・・・
「黙って見送るから
それまでは そばにいさせて」
と お願いしたんです ・・・
私のことを好きでいてくれてる
それは彼からも十分に伝わってきます
離れるまでの2週間
それよりも激しく 毎日、愛し合いました
スクールで会う時間帯は
プール横の用具室に入って
立ったままバックで挿入してもらったり
彼のアパートで何度も交わった後
家の近所まで送ってもらった
その車の中で また、彼に跨ったり
とにかく少しの時間でも
彼とひとつになっておきたかった
彼と触れ合っていたいという強い気持ち
そもそも
セックスだけの勝負なら
うちの主人のほうが断然に上手いし
私が気持ちいいのも主人です。
でも ・・・
彼とは恋愛感情で結ばれていた。
見送りの日は
セックスをしませんでした
それよりも話していたかった ・・・
「短い間やったけど
私のこと 本気で好きやった?」
雅人
「当たり前や ・・・」
「セックスと言葉以外で
それを証明出来るものってある?」
「あるけど 今は無理 ・・・
もし 次に会える日が来たら
その時に必ず ・・・」
ホームで彼を見送った時
涙は流さなかった。 それまでに
体内の水分が枯渇するほど
毎日泣いていたからです ・・・
あれから 約10年
何もかもを忘れて
平穏に家族と過ごす時間を楽しみ
主人ともケンカひとつすることなく
円満にやってきました。
そして 先週の土曜日 ・・・
息子の就職が決まり お祝いにと
家族でステーキハウスに行ったその帰り道
あの例のデパートの前で
彼が弾き語りをしていたんです。
「あっ どうした? 色葉
急に止まるし つんのめるやんけ^^」
「やっ あっ ギター ・・・」
頭の中は真っ白 呆然として
全然言葉になりません
そして 彼と目が合い ・・・
「今晩の最後の曲です ・・・」
と言って 弾き出したのが
エリック・クラプトンの
Change The World だった ・・・
子供たちは先に帰らせましたけど
私の後ろにはまだ主人がいました
その主人が気付いていたのかは
わかりませんが
私は大粒の涙を流して
彼の演奏に応えました
「セックスと言葉以外で
それを証明出来るものってある?」
雅人
「あるけど 今は無理 ・・・
もし 次に会える日が来たら
その時に必ず ・・・」
この曲は ・・・
彼が私を愛していた証しです
彼と戻ろうとか
今、何をしているんだろうな~
とか 考えなくもないですけど
もう、昔の私ではなかった ただ
ただ ・・・
「私を愛してくれて ありがとう」
曲が終わって 拍手をしたあと
主人のほうへ振り向き 腕を組むと
「お父さん 帰ろうか^^」
「おおっ^^」
でも ・・・
何か伝えたかった
誰かに私の気持ちを
分かって欲しかった ・・・
※※※
「9時か ・・・
お母ちゃん 寝るやろうし
そろそろ 帰ろうかな
ありがとう 健次」
「おう 送るわ」
「もう ええよ そこやし^^」
「襲われたら 俺の責任やんけ」
「誰が襲うんよ
43歳のおばちゃんを^^」
「色葉 ・・・」
「なにっ?」
「なんかあったら いつでも来いよ
思いっきり 笑わせたるし ・・・」
「ありがとう 健次 ・・・」
世界を変える曲は
私の人生と
彼の人生を変えたのかもしれない
でも
いつまでも変わらずに
こんな私を見守ってくれている健次と
主人に今一度
ありがとう と言いたい ・・・
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